Serge de Nimes =うきうきコラム= 価値観の多様化 つまり,むかぁーしはみんな一緒のものが好きで,一緒のものがほしかったりする時代があったでしょ.たとえば三種の神器といわれた「冷蔵庫掃除機クーラー」.みんながほしがった.先を争って買った. でもそんなものがあって当たり前になってくると,次にほしいものって人それぞれになってくる.PCがほしい人,バイクがほしい人.豊かになってくると,個性が出てきてみんなが同じでいられないよね. ということで1980年代後半以降「さよなら大衆」とか「分衆の時代」とか言う本が出たんだけど,これがまた大ベストセラー!つまり当時はまだ大衆がいたってことだけど.そんで大衆がいなくなってから,すごくデパートなんか困ってるわけです.何を売ったらいいのかわからない!必要なものはすでにもってるじゃない.ということになってるの. それはさておき,これと同じ状況がジーンズ界にも起きてると思うんです(みんなついてこれてる?).つまりレプリカメーカーは大きな志を抱き,「自分の理想とするXXをつくりたい!」と思ってブランドを立ち上げて,先を争いより本物に近いものを作ってきた.その発達や目覚しくて,もう街を歩いてる人の中でどれがレプリカか?なんてわからないほど,完成度が高いものができてきました. でももういきつくところまでいってしまって,もう次に何をしたらいいのかわからない.XXはもう一巡したし,66もビックEも作ったし,大戦モデルも...って感じだと思うんですよね.かといってブームも下火だから,新しいお客さん増えないし,同じお客さんにXX2本売るのは難しいとなると,これはちょっと違うバージョン?ってことで,大根おろしデニムとか中古加工を作ってるんじゃないかと,思ってるんです. だけどわたしは申し上げたい.あんな大手のリーバイスだって品番をかなり縮小したんです.やっぱり,志高くはじめたレプリカメーカーは現在までの蓄積を大事に,手を広げずにやっていってほしいな.本物を作るための資金を稼がないとどうしようもないという説もある.でも技術は蓄積するんだから,絞って深めていったほうが,いいんじゃないかなぁーと思います.だって,とにかく下火だし.甘いかしらん. LastUpDated 00/06/20 23:33 |