Serge de Nimes =ジーンズコレクション =


STUDIO D'ARTIZAN&SA.
DO-1


 これは、わたしが2本目に買ったレプリカジーンズです。94年の6月。ボーナスが出るからってがんばって買いました。当時はまだまだレプリカんなんて一般的でなかったので、2万4000円もするジーンズってなに?ってかんじでした。

 ダルチザンには田垣さんというデザイナーがいらして(今はもういなくなっちゃたみたいですが)その方が第1弾としてつくった記念すべきモデルがこのDO-1です。ダルチザンはパッチが馬の代わりにぶたがジーンズを引っ張ってるんです。楽しいブランドです。

 30-40年代の501をかなりデフォルメして、お茶目な形になってます。シルエットはすごくお尻が大きくて、足が広がってます。そしてすそにむかって細くなっています。最初は「なんじゃ、このかたちは?」って思ったんですが、なじんでくるといい感じで、最近赤丸急上昇です。といっても、ほとんどパジャマとして使用してます。要は「楽」なんです。

 このわたしが持ってるDO-1はDO-1の中でもほぼ最終形で、おなじDO-1にもいろんな形があるんです。いまはこの"DO-1"はなくなってて"SD-DO1"という、型番になってます。

 DO-1はインド天然藍をかせ染めで、24回染めているため、糸の中まできっちり染まってます。だから「縦落ち」はほとんどしません。右の写真は耳のアタリです。こんな感じで「ぼーんやり」と色落ちしています。

 リベットはほんとに手で打ちぬいたことがよく分かります。あらゆるところがハンドメイドで結局納得プライスでした。ちなみにバックポケットのステッチは、手縫いらしいです。

  で、貴重な「ギミーブック」が見つかったので、次のページを見てください。

補足(99925日)>>

 このダルチザンは私のパジャマとなっているのですが,もう田垣さんがダルチザンにいないだけに,結構貴重なものみたいです.ダルチザンはエヴィスやドゥニームよりも早くからレプリカを作っていたブランドです.でも主流という感じでないところがかっこいいです.

 さてさて,私は最近広島のフジイプロセスの藤井さんと話す機会があったのですが(ミルクティー.コムの革パッチはここで作ってもらいました.リーバイスのWWIIモデルのペンキステッチもここで請け負ってます),藤井さんによると,ダルチザンは日本で最初に赤耳デニムの復刻をさせたので,このデニムを作るまでにはかなりの苦労があったようです.

 もう眠っていた力織機を見つけて,さびを落とすという作業からはじまり,最初はB反(折り傷ができたものなど)ができる可能性が多かったそうです.そのリスクまで負うと1メートル4500円になってしまって,ジーンズ1本が2.5メートルだから生地だけで一万円超えたようです.

 しかも糸は天然藍(これは天然じゃなくてもいいんですが).とにかく人間国宝のような人に頼み込んで,24回染めという採算度外視した染め方.薄めの藍に何度も通すことで,むら無くきれいに染め上がるようです.

 そんなこんなで24000円という価格(現在は25800円)になったそうですが,この価格はむべなるかなだったんですね.でもいまでこそこの価格は聞きなれたものですが,このDO-1ができた1986年当時は,天文学的数字だったと思います.わたしが購入した94年だってもうとても友達に言えない値段でした.よく事業としてやれたなぁと思います.

 田垣さんという人がダルチザンにいたことでこんな画期的なものができたんだなぁと思います.


 LastUpdated: 1999年09月25日 01:03 


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